ミッドウェー。Googleストリトビューでは平坦な地面に鳥、鳥、鳥。言葉にできない景色を一度はGoogleアースで。
Googleアースで撮影されたのももう何年も前のこと。ストリートビューで見る通りには太平洋戦争よりもっと前に建てられた日本人のお墓も。
ミッドウェー諸島の形成という自然地理的視点、島の所有権と歴史、太平洋戦争と海戦の地として言葉に表せない場所でもあります。
また、絶滅に瀕するアルバトロス(アホウドリ)とその保護活動、海洋ゴミが招いた衝撃的な映像、。
私の少しだけの知っていることを、表現するだけでも、太平洋に位置する小さな島をめぐってこれほどの事があるのか、と溜め息が出るほどです。
1 日本の太平洋側の海に行ったら、南南東にミッドウェー諸島を。
調べてみると、ミッドウェー諸島は九州より緯度が低い位置にあり、イメージでいうと、奄美と同じくらいです。
そして、太平洋の位置でいうと、真ん中よりも日本側に位置しています。
ですから、沖縄や奄美の島々の人以外は、太平洋側の海を訪れた際に、南南東の遥か海を想像すれば、その行き着く先がミッドウェー諸島です。
明治時代にはアホウドリの羽毛を求めて日本人が立ち寄ったり、住んだりしていたこともあったそうで、地理的には日本の太平洋側のご近所といえる位置関係です。
地形的にはハワイの島々と同じ諸島に属する火山による島々です。
面積が約⒍2平方キロメートル。これはとても小さいです。日本の最も小さい村が約3平方キロメートル、その2倍くらいとイメージして。。。。
つまり今自分が住んでいる市町村の大きさよりはるかに小さいです。
例えばツバルは一つの国で、島に約1万人の人口。面積が26平方キロ。これと比べると小さいということがわかると思います。(ミッドウェーには60人の人口というデータがあります。)
火山を元にしてでき、次第に侵食と沈降してできた環礁なので、周りに白く輪になった部分があり、その中に高くなった部分が陸地です。
高さは最も高くても、13メートル。
3階だてマンションくらいが最も高い陸地の部分というところ。見渡す限り平らです。
2 ストリートビューで見えている鳥たち
アジサシの仲間や、コアホウドリ、クロアシアホウドリかと思います。
特に、ストリートビューで映っているのには、コアホウドリが多いように思います。
他にもカツオドリの仲間など、高緯度地域が寒くなる時期に、鳥たちが営巣する大切な場所ともなっています。
アホウドリが餌と間違えて雛にプラスチックゴミを与えて、朽ち果てたお腹にそれらのゴミが残っている写真は衝撃的でした。
アホウドリの保護活動については、日本の研究者や活動家の方々の想像もできないような取り組みの継続によって、10羽ほどから5000羽を超えるところまで命を繋いで現在に至っていることなど、ここには書き尽くせません。
(ぜひ、特定非営利活動法人OWS
のホームページをご覧下さい。)三浦半島をはじめ、日本の身近な海の環境保全にも大きな影響を与えている活動団体です。
ミッドウェー島をGoogleマップで見たら、きっと、ああこの島は鳥のものだなぁっていう気がする思うんです。
調べてみると、保護活動のキーワードを通して日本の方々の取り組みの情報に行き着くんです。つまり、MAPで旅に出ても、日本の情報に戻るんです。
言葉にできない気持ちになるのは私だけでしょうか。
3 残念ながら、そう簡単に降り立つ事ができない現在
ミッドウェー諸島は、アメリカの管轄各局による許可がなければ入島できず、アメリカからのチャーター便ツアーに参加する方法しか、いく方法がないそうです。野性動植物の保護が優先された島とも言えそうです。
ですから、まだ撮影できた頃の写真や記録をインターネット上に公開してくださっている方々の資料は本当に貴重なものです。
私は今回、鳥が沢山映っている珍しい景色として、ぜひGoogleアースからストリートビューを歩いてみて欲しいと思い、この記事を書きました。
けれど、鳥の事、海鳥保護のことなどを調べていても、どうしても景色と歴史が無関係にはならず、ここには書ききれないくらい、1942年6月にこの海域に沈んだ命のことを考えずにはいられませんでした。
私たちがミッドウェーをキーワードに調べる検索結果には、時が経っても積み重なる歴史が反映されていくのだと、今回つくづく知りました。
私が、たどり着いた検索からの情報です。
2019年になってやっと、この戦争で沈んだ空母「赤城」や「加賀」が5400メートルを超えるミッドウェー沖の深海で、確認されたそうです。
太平洋海域には、沢山の命をのせて沈み、引き上げることすら叶わない機体、確認すらできていない船がまだ多く残っていると知りました。
ハワイに行く途中、左手側に見えるであろう、ミッドウェー諸島。
Googleマップで訪れる時は、遥か海底も想像できたなら、と思います。
そして、それでもやっぱり、この島は、鳥のものだなぁという気がするのです。