木製トングでも、つなぎ目(曲がった部分)は金属製が主流。トングのつなぎ目が気になる件
(ぶなトング)EBM
ドーナツやさんで並び、トングを見ているうち、曲がってるところが素晴らしいと思えてきたのです。
自分で作ろうと思ったらやっぱり、曲がってバネのようになるつなぎ目、頂点の部分に苦労すると思うんです。
多分、「トング」「つなぎ目」で検索する人ってほぼいないと思うので、きっとまたこのページも、検索流入していただける人は永遠ゼロな気が。。
でも、たどり着いたのは、トングは、紀元前から、人間の相棒であり、民芸品としてすごいものがあるという事です。
トングさんが気になってよかったです。
もしお付き合いいただき、読んでくださったら、感謝です。
全部、木製のトングを探すなら、「民芸品」「トング」が最適です。
名入れしてくれる漆器などでもトングがあり、なんとか手の届く価格でした。
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1 「木製トング」でも、つなぎ目(頂点の部分)は金属
2 トングと箸、紀元前の人がつかみたかったものは同じ
3 やはり、つなぎ目(頂点部分)の形と素材が肝
4 すべて木のトングは、民芸品
5 民芸品からたどり着いた工業デザイントング
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1 「木製トング」でも、つなぎ目(頂点の部分)は金属
今回、トングの用途別分類などではなく、ひたすら、くの字の頂点の部分が気になるので、そこに注目しています。(下は、ル・クルーゼのメープルウッドにトング)
木製トングと素材で紹介されているものでも、ほとんどが、弾力性が必要な部分だけ金属を使っています。
でも考えたら、トングって英語だと「tongs」。ズが付いて、一本と一本がつながった物的捉え方です。
だから、少し幅のある2本の棒をつなげた物という見方をしてみてもよいという事です。
2 トングと箸、紀元前の人がつかみたかったものは同じ
私が調べた限りでは、紀元前1000年ごろには少なくとも存在していたと考えて良さそうです。
日本のお箸については、奈良時代。正倉院に納められたもので、中国からのものが明確に特定できるようですが、トングについては分かりませんでした。
さて、トングと箸。
直接手でつかみたくないから使ったという点で、先人がつかみたかった物は、火にかかわる物のようです。
火バサミがトングの始まりという事で、大切な火種などを、長さの同じ木でつかむという事をしたのでしょう。(上は、ベアボーンズの大きなトング)
バーベキュートングが、先人と同じ使い方なのですね。
3 やはり、つなぎ目(頂点部分)の形と素材が肝
ところが、長いトング型の物を想像してみてください。
頂点の部分って、くの字じゃなくてΩの形なんです。
そしてこの形に加工しても折れないためには、もはや木では無理ですよね。
なのでガーデニング用のトング型の物やバーベキュー用の長い物は基本的にステンレスです。
なんで頂点をわざわざ丸くするのか、考えると、これは物理的な話しになるのでしょうか、。
トングが短いほど、頂点の部分との距離が短く、小さい力でつかむ事ができる作りです。
これが、枯葉や炭を拾うような長さになると、力が作用する両側の点が支点から遠ざかって、動かすのに片手ではできなくなってしまいます。
以前、ワンハンドでできる道具について書いたのですが、トングを見落としておりました!
片手の力でつまめるために、あえて短い長さと同じ位置に支点を持ってくるには、Ωの形にして、棒と棒の間を離して角度を変えて、調整しているという事なのかなと思います。
私はこのΩ型の工夫、すごいなぁと思いました。
バリアフリーな道具もきっとそういう工夫なんだろうなぁと。
そして、素材です。
うちにある先が猫の手型のミニトング。先はデザインしやすい耐熱性のナイロンとガラス繊維だそうです。
しかし、その2本の手をつなげているのは、ステンレスです。(田辺金具の、ちびにゃんこトング)
そして、2つの違う素材をつなげるのって案外難しいようで、摩耗しないように、これも工夫を重ねてくっつけてあります。
他の物も、先はおしゃれに木を2本。でも繋げる部分は耐久性と弾力性に優れたステンレスを使い、丁寧にネジなどで留めてあったりします。
シリコン性のトングが流行っていますが、全部がシリコンの物はあっても、つなぎ目だけシリコンというのはないようです。
やっぱり今も昔も「鉄」という事でしょうか。
4 すべて木のトングは、民芸品
結局、すべての部分が木のトングは何でできているか?(写真はかもしか道具店のすす竹トング)
やはり竹です。
やっぱり弾力性といえば竹ですよね。でも、他にもあったんです!!
ラバーウッド!ゴムの木の一種だそうです。しかも、ゴムを採取したあとの廃材を利用した循環資源が多いとか。ラバーウッド、木材のテーブルや家具がある方、足の部分がラバーウッドはあるあるかもです。
ラバーウッドの方向に曲がっていきそうなので、元に戻ります。
世界には竹以外でトングに使えるほどしなやかな木があるのですね!
(オリーブウッドや、メープルウッドもありました。)
5 民芸品からたどり着いた工業デザイントング
最後に、木製トングの検索で竹細工、そこから、民芸品というキーワードにたどり着きました。
「民芸」といえば、柳宗悦さんにたどり着くわけですが、今回、実用性とデザインを兼ね備えたトングに、
柳宗理さんデザインのトングが検索で上位にきたんです。(上の写真です)
「民芸」というキーワードとは全く関係なく、おしゃれ、トングと検索したら見つけたのです。
優れた実用性とデザイン性について旅をすると、柳宗悦、柳宗理親子さまにたどり着くというのは、とても面白い結論でした。
こんなにトングのつなぎ目で長い内容になるとは思いませんでした。
誰か1人でも読んでいただけたら嬉しいです。