少し上向くEnoのメモ

えのころ草をはじめ、気分が上向く物のカケラ集めのブログです。

今、味わい尽くすべきはりんご。りんごと梨は来年は花粉不足が心配だから。

りんごと梨。次の開花までに中国からの花粉が使用できる見込みがない状況。果物が食べられる幸せが、りんごに詰まってる

中国で、果樹に火傷病(かしょうびょう)が発症。感染を水際で食い止めるために、日本で中国産の梨とりんごの花粉が輸入禁止措置、既に入手済みの物も使用禁止になったそうです。

この事は、梨の栽培、出荷をしている方が聴かせてくださったんです。

花粉を輸入?

日本の果樹農園に咲いてる花の花粉じゃだめなの??

そもそも花粉がパック詰で商品になってるって?

どうやって花粉を採取??

今週のお題「最近おいしかったもの」。

調べたら、りんごが100倍美味しく感じると言っても大袈裟ではないぐらい、果物を育てて食べるってすごい事と思えました。

今年は何にも増して、今あるりんごを美味しく沢山食べようと思っている次第です。

1  自家受粉では、結実しない果物たちが多い事

人工授粉について、フワフワの長い綿棒のような道具で開花時期に手作業で、というところまでは想像できていたんです。

けれど、そのための花粉は、同一品種ではないものでなければならないという事を、私は知りませんでした。

キーワードで言うと、「自家不和合性」というものです。

りんご、梨、梅、あんずの多くがが、その性質を持っています。

自分自身のおしべとめしべでの受粉では、実がならない。

さらに、同じ遺伝子構造でもダメで、うまく実がなるにも品種で相性があるのです。

果樹、ではなく果樹園。

果樹園の中でも、異なる品種のものを栽培する事で、果物を実らせているのです。

もし、単体で結実しているとしたら、近くに相性の良い木がある上にありがたく蜂さんのおかげかもしれません。

どうしてもハチを毛嫌いしがちですが、ハチさんのおかげでイチゴもあんずも梅も存在している現実です。

2  人工授粉用の花粉のこと。開花3日ミッション。雨が降ったらやり直す。

受粉用の花粉を、花粉採取用の機械で作るというのが少し前の通常の作業。

さらに、農園が複数あれば、ハチさんの協力で他家受粉が可能になってより効率が良くなります。

けれど、花粉を採取する作業はとても手間がかかると言う現実があるそうです。

そもそも機械が必要です。

受粉用に採取する花粉を購入して買うと言うのが効率的という事で、花粉は、貴重な商品にもなります。

家庭栽培用にも、各種花粉が売っていますし、Amazonなどでも見つけられました。

そして、大量に必要な花粉。

中国産で自分の果樹と相性の良い品種の物が、幅広く輸入されてきたわけです。

安定的に手に入っていれば、花粉採取の機械はもう不要です。

という事で、近年では、花粉は基本的に輸入で賄う農家が増えたとのこと。

受粉作業は繰り返し行うので、自分の農園から取れる複数品種の花粉だけでは、結実の確率をあげきれない現状があるのです。

3 過傷病と次年度の花粉入手の見通し

中国産の花粉輸入が停止になっている理由は、果樹の感染症です。

火傷病は、日本では拡大した事はまだないとのことですが、北アメリカや中国などでは大きな被害が出ているようです。

細菌によって、枯死、実が枯れる、幹などに潰瘍ができるなどして、感染したものを、治す事や防除が難しいものとあります。

現在、日本の都道府県、市町村で、緊急確認マニュアルなどが発表されて、万が一発見された場合の対策などが示されています。

農林水産省による火傷病について広報パンフレットが出されています。

輸入自体が停止されたのが、2023年の8月末で、国の対策としては、まずは「農家が自給」という事を促進するとの事で、実態調査と技術指導などが実施されています。

ネパールからの花粉輸入、などを紹介する情報もあったので、花粉輸入先の多様化は、進むのかもしれません。

けれど、梨は約30パーセント。りんごは3%が、中国産の輸入花粉の割合という数字だそうです。(日本農農業新聞10月4日)

特に千葉の梨農家に輸入割合が高いとありました。

さらに、世界51ヵ国以上で火傷病の発症が報告されているとのことでした。

花粉の自給、花粉は生物であるから当然かもしれませんが、

具体的な花粉確保の方法も、当該の枝を剪定してハウスで温度管理する、花粉用の木から多く採取、早めの採取など、人手がさらに必要な方法ばかりでした。

4  りんごは今だけれど、梨はふるさと納税で、予約して応援もあり

私は常々コーヒーが好きですが、その予算は、貯金箱に入れた節約分のお金達を当てています。

贅沢で、いわゆる嗜好品といえど、なくてはならない物だから、何かを節約してバランスをとっています。

果物が多いスイーツほど高級なように、果物はお値段がはります。

けれど、そもそも実がなるまでの果樹育成、そこから実がなる季節までの手作業による剪定や土づくり、機械の費用、梱包、全部見える化したら、今の価格で食べられる奇跡のように思えるかもしれません。

5 来年の梨とりんごが高くても

りんご、梨が高くても買えるように、少しずつお財布を考えておきたいなと思います。

一つのりんご、梨、完成品の美味しさからでは、想像がつかない事ってあるんだなと思いました。

でも、ああ美味しいな、とか素敵だなと思い物には、自分が想像できないような道のりがあるという事は、最近やっとわかり始めた気がします。

りんご、本当に美味しいです。