捨てられない自分との戦い。文庫が売れた価格と、本から得たプライスレスな気持ちの差が、。
『陰陽師』夢枕獏。10年前から買い始め、幾度も読んだので、手放すことに。
ショーペンハウアーの『幸福について』、青空の表紙と中身が気になって購入。こちらも、十分楽しんだので手放すことに。
1 本を買うこと、手放すこと
諸々混ぜて、ブックオフへ。
売る、ということについては、皆さんは、より高く手放す方法を工夫している事と思います。
私も方法について迷いましたが、手で持って行って手放すというか、そういう風にしようと思って、最寄りのブックオフに行きました。
13冊で200円。全部値段がつきましたが、古いものでしたし、一冊基本は5円。最も高くて60円。
思えばこれらの本で、ずいぶん楽しい時間を過ごしました。
激安価格で手放す事で、あらためて、「本を買う」ということについて考えました。
紙でも文字でもなく、その本を読んでいる時間を買った、本から貰える空気感を買った、、、色々表現できそうです。
ブックオフで売ることによって手放したのは、自分の時間ではなくて、「紙」と文字の塊。
そういえば、手放した、ショーペンハウアーの『幸福について』に買いてありました。
「朗らかな」物や人を自分に集めるとよいようなこと。
私が読みとったこの本からの1番濃いキーワードは「朗らか」でした。朗らかな人になりたいなぁ、なんてこの本を読んで思ったのでした。
2 手放すことで完結する事たち
ずいぶん、色々処分したこの夏だったのですが、手放すことで完結するということがある物だなと思いました。
もう物理的には手にできなくなる、それでもいいや、。と思った時に、全然別の方法で、自分に残ったからいいや、などと気持ちの処理もちょっと行ったり。
結局、画像にして残したいものは、すべて写真に残しましたが、おそらくは、手に入れて、そばに置いて、しまって、やがて手放す。これで一つのまとまりというか。
そして、1番捨てられない物は何か?って今回気づいてきた気がします。
当たり前ですけれど、「もう会えない誰かとの思い出の品」ですね。
それが、どこにでも売っているキーホルダーだったとしても。
3 なぜ自分の実家に物が多いのか。ハッと気づく。
そして、子どもの作品や書いた物は、捨てる難易度がとても高いと気づいたわけです。初めて書いた、作った、などのもの。子どもにも捨てちゃ悪いと思うわけです。せっかく作ったのだから。
ところが、子どもって意外に後ろを振り返らないんです。親が思うほどには。
ですから、せいぜい一年たつと、図工の作品などは、いらないってあっさり言うんです。当時書いた物なんかも。
親が捨てられないって言うだけなんですよね。
小さかった頃が愛おしいのもあって。
という事で、自分の物は捨てて、子どもの物が残る。
そのまま時が経つと、、。
自分の実家には自分が小さい時のものが案外あったりするわけです。
実家に帰って、物が多いなぁの原因は、案外自分の物だったりするんですね。
最近、近所の家の世代交代が結構多くて。
考えたら、縄文時代以前から同じ場所を使い続けているわけだから、そりゃぁどこかでいったん捨ててゼロに戻すことが必要なんだろうな、妙に納得したりします。
最後に。手放せない物を手放した時、本当の意味で、その物を自分の物にした、と考えられるのかもしれないなぁと思ったら、少し気持ちも楽になりました。